採用選考で“ゲーミフィケーション”
セガ エックスディーはセガで培ったゲームやエンタテインメントビジネスの経験から、“ゲーミフィケーション”をコアメソッドとして様々な企業や社会の課題解決を行っています。
これまでnoteでは、企業や公共団体などが抱える課題に対してゲーミフィケーションで解決する取り組みを公開してきましたが、セガ エックスディーはお陰様で、会社設立からこの8月で6周年を迎えることができ、徐々に会社の規模を拡大することができました。
そして来年度からは新卒新入社員を受け入れることになり、今回は自社の新卒採用にもゲーミフィケーションを取り入れて実施した採用選考についてご紹介していきます!
■ 採用環境
近年の日本の労働環境は「人手不足」という言葉が聞かれるようになってきました。若年層の人口減少の影響は勿論、特にデジタル関連業界ではデジタルネイティブ世代を積極的に採用していることもあり、こういった新しい業界では一層人材の奪い合いになっています。
その様な中で、採用活動は“企業が被採用者を選ぶ”ことでもありますが、一方で“被採用者が企業を選ぶ”ことでもあります。つまり、人手不足の企業は「選ばれる側」でもあるということを強く認識しなくては、被採用者に選んでもらえないという厳しい環境になってきました。
また、企業も限られた採用機会で優秀な人材を求めることは勿論、自社が求める人材や、カルチャーフィットした人材を確実に確保していかなければなりません。
そこで当社では、新卒採用選考ステップの中で“ゲーミフィケーション”を取り入れたグループワークショップを今年度実施しました。
■ 「採用選考で“ゲーミフィケーション”」とは
ではどのような選考を行ったか、まずは初期方針について以下に記述します。
目的:採用のミスマッチを減らし効果的な採用選考を実現する
- セガ エックスディーを理解してもらう
- 通常の選考で知ることのできない、より深い受験者の理解
テーマ:当社の“バリュー”を意識したグループワーク
裏コンセプト:
- 選考自体を楽しんでもらう
- 結果がどうであれ、振り返ったときに「あの選考は面白かった」と思ってもらいたい
順を追って説明していきますね。
採用選考は貴重な応募者との接点なので、選考にあたって当社のカルチャーを理解してもらうために“バリュー”を少しでも感じてもらえる事を念頭に選考プログラムを設計しました。
ちなみに当社で設定しているバリューは以下になります。
< バリュー >
『心躍る答えを追求しよう』
エンタテインメントを大切にする私たちは
自身も相手も常にワクワクするような仕事を目指していきます。
『共に達成しよう』
一人で完結する仕事はありません。
私たちはともに働く仲間やチームを大切にし
ともに計画をやりきり目標の達成にこだわっていきます。
『自分らしさを表現しよう』
個々が持っている個性や専門性を
それぞれが表現し、互いに尊重し合うことで
私たちは他にはない価値を生み出していきます。
※当社企業理念詳細:https://segaxd.co.jp/company/philosophy/
当社で設定しているバリューを元に施策の方向性を導き出しました。
・「心躍る答えを追求しよう」
⇒エンタメ性があり、答えを求めるタイプのゲームを導入
・「共に達成しよう」
⇒チーム戦
・「自分らしさを表現しよう」
⇒チームの中でどう動くか、それぞれが表現して行動してもらう
これら3要素が反映されたグループワークを受験者に取り組んでもらうことで、セガ エックスディーのカルチャーを体験してもらい、それによりセガ エックスディーを知ってもらうことになり、一方、受験者はそのフレームの中でどのようにアクションするかを試験官が観察することで、通常の面接や筆記試験などではわからない人となりの理解を深めることができると仮説立てをしてグループワークを企画しました。
■ グループワーク企画内容
題して・・・
受験者は予めグループに分けられ謎解きゲームをしながらゴールを目指す
グループごとに「謎」が入った封筒が渡され、スタートの合図で封筒から「謎」を取り出し協力しながら答えを導きだしていく
場所は当社オフィスの指定された範囲
制限時間30分
< 謎解き出題例(一部) >
これらの答えは是非考えてみてください♪
< ゲーム性のポイント >
最終的に「オフィスに隠された3つの宝石を見つける」をゴールに設定。 「宝探し」要素を取り入れることで“ワクワク”を演出する外発的動機づけ。
最初に1問目の謎を各チームに配布し、謎をといて正解に導くと、2問目の謎の場所が示されるようにすることで、短期的に実現可能な目標を与えてモチベーション促進と連帯感の向上を促進。
< 取り組み風景 >
■ 振り返って
< 採用側として >
一般的な採用選考はどこかフォーマルで、ある程度の定型化された枠組みの中で実施されており、面接で聞くこと話すことはある種の用意された言葉の掛け合いともいえるかもしれません。今回受験者に、グループワークで、なおかつエンタテインメント性を持たせた取り組みに参加してもらうことで、我々採用側としては面接などでは垣間見ることのできない受験者の他者とのコミュニケーションの仕方、思考傾向、エンタメ性があるからこそ笑顔や素の部分を垣間見る事ができ、受験者の人となりの理解に大いに役立ちました。
また、受験者との接点の場は貴重なブランディングの場です。セガ エックスディーが掲げる3つのバリューについて、テキストで理解するのと、実際に体験するのでは受け取り方は大きくことなります。目的を実現するためにエンタテインメントやゲーミフィケーションを実装するとはどういうことか、なかなか文字や言葉では伝えきることはできませんが、グループワークを通じてその一端を受験者に理解してもらうことができたのではないでしょうか。
< 受験者の反応 >
グループワーク『謎解きミッション』を発表した際は、受験者は一様に驚いていましたが、張り切って取り組んでくれました。『謎解きミッション』中は各チームとも、楽しみながら色々意見を出し、苦戦する場面もありましたが、みんな夢中になって取り組んでくれました。採用選考は『謎解きミッション』が第1部として実施され、その後にもグループワークの第2部がありましたが、第2部へ向けたアイスブレイクにもなり、第2部のグループワークも大変活発な意見交換が生まれました。
■ おわりに
セガ エックスディーでは日頃企業や自治体向けに“ゲーミフィケーション”を活用した課題解決をおこなっていますが、今回は自社の新卒採用向けに始めて“ゲーミフィケーション”を取り入れました。
改めて思う事は、企業活動のあらゆるものがある種定型化しており、それを疑うことなく日々企業活動を行っています。採用選考でも、なんとなく“こうでなければならない”といったバイアスがあるかもしれませんが、“ゲーミフィケーション”は分野を問わず、自発性や能動性を促したり、新しいコミュニケーションを生み出すことができるということを「採用選考」という分野でも実証できたのではないかと実感しています。
この記事をご覧の皆さまが自分の会社でも、現状の当たり前を疑ってあらゆる“当たり前”に“ゲーミフィケーション”を取り入れてみてはいかがでしょうか?そうすれば、新しい発見や結果をもたらすことができるかも!?
執筆:金子 崇久|株式会社セガ エックスディー
マーケティング・コミュニケーション部部長。大手広告会社でデジタルを中心としたストラテジックプランニングを担当。その後セガでNoahPassのビジネスサイドの責任者を経て、デジタルコンテンツ企業でPRとイベント事業の責任者を担当。再びセガへ復帰し、現在はセガ エックスディーで広報・PR/マーケティングに従事。
執筆協力:大橋 広実|株式会社セガ エックスディー
旅行とマンガと美味しいものが大好きなセガ エックスディー第1号社員兼HRチームリーダー。セガ エックスディーでは人事戦略・企画・採用・労務など人事全般とチームマネジメントを担当。社内活性×謎解き、人事×個性心理学など、自身の業務領域と趣味を掛け合わせるのがマイブーム。日常の癒しは推しの動画観賞。
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