企業や自治体のマスコットキャラクターをゲーミフィフィケーションの活用でより魅力的に!
こんにちは。セガ エックスディーの戸塚と申します。
唐突ですが、今この記事に目を通して下さっている皆さまの中で、「自分はマスコットキャラクターなんて知らない、今まで見たことがない」という方はいらっしゃいますか?
マスコットキャラクター(以下、マスコットキャラ)とは、言わずもがな企業や団体が自分達自身や自分達の提供するサービス・商品などを消費者にアピールするために創出した人形・着ぐるみやイラストなどで、何らかの団体のシンボルを表したものです。主に宣伝・広告目的で古くから世界中で活用されていますが、日本は特にマスコットキャラの多い国なのではないでしょうか?
企業をアピールしたり、商品パッケージに載っていたりするマスコットキャラは勿論のこと、野球やサッカーなど、マスコットキャラのいないプロスポーツチームは、ほぼ見当たりません。また、2021年の日本経済新聞の調査では、全国の市区町村数(当時)1,741に対してマスコットキャラ(「ゆるキャラ」「ご当地キャラ」とも)の数は1,553体と、もはやマスコットキャラが不在の自治体を探すことは困難なほどです。
「自分はマスコットキャラなんて知らない、今まで見たことがない」という方はいらっしゃいますか?という前述の質問に自問自答してしまいますが、日本国内で生活をしているほとんどの方は、今までマスコットキャラを少なくとも一度は目にしていると思われます。それほど、マスコットキャラは日本人にとって身近な存在です。
今回は、そんなマスコットキャラを「どのように活用できるか?」について述べていきたいと思います。
尚、本記事は様々な業種や職種の方々が読んで下さっていると想定(期待)して、なるべく最大公約数に当てはまるよう、以下の2つの大きな枠に分類して解説していきます。
■ マスコットキャラを「どのように活用できるか?」
-心象に訴求する(好感を持ってもらう・ブランディングする)
「自分達の企業にこんなイメージを持ってもらいたい
「自分達の街に興味を持ってもらいたい」
そもそも、多くの企業や自治体は上記のように「好印象を得るため」や「ブランディングのため」にマスコットキャラを創出したのではないでしょうか?
例えば、企業や商品に自分達の意図するイメージ(例えば安心感、高級感、親しみやすさなど)を持ってもらい、競合との差別化や独自のポジションを確立したい。魅力的なマスコットキャラを創り、それを展開し、好感を持ってもらうことで自分達の街を全国に知ってもらいたい。そのような目的で、今まで多くの団体で考えられ、実施されてきたのではないでしょうか?
一般的に人間が外部から情報を受ける際には、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の内、視覚からの情報が約8割を占めると言われており、ビジュアルで訴求できるマスコットキャラは、相手に好意を抱いてもらうなど、意図した印象を持ってもらうのに非常に優れたツールだと考えられます。
-行動に訴求する(集客する・購入してもらう)
「近々イベントを開催するので、着ぐるみのご当地キャラを登場させて目玉にしたい」
「商品パッケージにマスコットキャラを載せて、購買を促進したい」
ただ好印象を持ってもらうだけでなく(それが前提ではありますが)、「このキャラがいるから行く」「このキャラが好きだから買う」といった具体的な行動を起こしてもらうことも、マスコットキャラが持つ力のひとつです。
マスコットキャラのファンになってもらうことで、そのマスコットキャラをフックとして、「〇〇がいるなら行ってみよう」「〇〇が好きだからこの商品を買おう」といったユーザーの心理変容を促すことが可能になります。
マスコットキャラの活用と同じように、集客や商品広告のために有名芸能人を起用するといった例も多々あります。しかし、マスコットキャラであれば一度創出してしまえば自分達が所有者になるため、ギャラの支払いや都度契約が発生するなどのコストを大幅に抑えられることも、メリットと考えられるのではないでしょうか。
■ マスコットキャラの魅力 × ゲームの魅力
上記のようにマスコットキャラには様々な企業・自治体の活動をサポートしてくれる力があります。そのうえで、ゲーミフィケーション要素を掛け合わせることで、マスコットキャラの効果をより多く引き出すことができます。
ここからはマスコットキャラに対して、ゲーミフィケーションを掛け合わせるとどのようなメリットがあるか?どのようなアプローチができるか?を解説していきたいと思います。
-メリット①:強く印象付けられる
マスコットキャラというのは、平面のイラストであれ立体の着ぐるみであれ、言うなればデザインされた造形物です。前述の通り、「人間は五感のうち、視覚から受ける情報が8割」です。
造形物であるマスコットキャラは、その視覚に訴えかけることができるため、非常に優れた訴求ツールです(奇抜な声で喋るなどの例外もあります)。しかし、それはあくまでも相手への情報の「インプット」に限定したものです。
家庭用ゲーム機やスマートフォン用ゲームアプリなど、巷には多くのゲームが溢れているので、マスコットキャラ同様に「ゲームを知らない」という方はほぼ皆無かと思います。当然、ゲームというものはプレイヤーが自分で操作をする「アウトプット」作業が必要です。
仮に、マスコットキャラをゲーム化したと想定すると、操作したり、対話したりするなど、プレイヤーは何かしらの「アウトプット」作業を行うことで、マスコットキャラに対する印象をより強めることに繋がります。
例えば、「黙読より音読」「他人に教えることで自分の理解も深まる」とよく言われますが、これらも「インプットよりアウトプット」を実践しているからです。
また、ゲームというのはキャラクターだけではなく背景やアイコン、ボタンといったUIパーツなど多くの要素で画面全体を構築します。「ファンタジー風」「近未来風」といった世界観から「楽しそう」「怖そう」「大人っぽい」「子供っぽい」といった雰囲気まで、意図した通りにプレイヤーに印象付けることができるのです。
そのため、キャラクターそのもの以上に、意図したイメージを相手に感じさせることで、より「ブランディング」を強めることが可能になります。
-メリット②:継続してもらえる
昨今のマスコットキャラ(特に自治体の「ゆるキャラ」「ご当地キャラ)の抱える課題として、全国的なブームが落ち着き、飽和していた多数のマスコットキャラの多くが飽きられ、忘れ去られてしまっている、という事が挙げられるかと思います(先ほど全国に1,553体のご当地キャラが存在するとお伝えしましたが、そのうち頭に浮かぶキャラがどれだけいるでしょうか?)。
一過性のブームの中でマスコットキャラを創出したものの、定着させることができなかったというケースは多分にあるかと思われますが、ここでもゲームの持つ力が役立ちます。
前述の通りゲームにはプレイヤーがプレイ(アウトプット)をする「インタラクティブ性(双方向性)」があります。
ただ見るだけ、聞くだけ、といった一方的なコンテンツと異なり、プレイヤーはその世界に没入し「自分ごと」として捉えてくれるため、より継続的にコンテンツに触れ続けてもらうことが可能になります。例えば、紙面に印刷されたマスコットキャラのイラストと、自分が操作したり育てたりできるマスコットキャラとでは、より愛着が湧くのはどちらか?と考えると想像がつきやすいのではないでしょうか。
■ キャラの魅力とゲームの魅力を活かしたゲーミフィケーション
これまでマスコットキャラが持つ元々の魅力と、それをより向上できるゲームの魅力について述べてきました。セガ エックスディーでは単にマスコットキャラのゲームを作るだけではなく、そういったゲームの持つ魅力を多数の要素として捉え、様々なコンテンツに応用しています。その中の事例をいくつかご紹介します。
< 以下、当社プレスリリースより引用 >
横浜の海上に巨大ARが出現!3/25(土)開催「 ガーデンネックレス横浜 2023 」で、セガ エックスディーが開発したARコンテンツが公開
横浜の街を舞台に美しい花と緑をネックレスのようにつなぐ横浜市様主催のイベント「 ガーデンネックレス横浜 2023 」における、マスコットキャラを活用したARコンテンツ開発事例。
セガ エックスディー、湖池屋とゲーミフィケーションを活用した『湖池屋FARM 大豊作!』を提供開始
湖池屋様の商品キャラクターと、弊社が提供するCRM向けゲーミフィケーションサービス「GameBox」を活用した事例。
セガ エックスディー、DLEがプロデュースする、品川区・高知県・福井県坂井市の自治体合同の観光イベントで行うARスタンプラリーを開発、11/17(木)よりスタート
品川区、高知県、福井県坂井市のご当地キャラを活用したARスタンプラリー開発事例。
■ 最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回、既存のマスコットキャラクターとゲーム・ゲーミフィケーション、それぞれの魅力と掛け合わせによる相乗効果について述べてきましたが、少しでも興味をもって頂けたら幸いです。
そして、もし皆さまの中に「自分の会社のマスコットキャラをもっと活用したい」「地元のご当地キャラが最近活躍していない」などといったお悩みをお持ちのかたがいらしたら、ぜひセガ エックスディーへお声がけください。
執筆:戸塚 英智|株式会社セガ エックスディー
家庭用ゲーム機のCGデザイナーとして、ゲーム業界でキャリアをスタート。アートディレクター、企画、ディレクターなどの職種を経験しつつ複数のゲーム会社を経て、2019年にセガ エックスディーに入社。プロダクトマネージャーとして、企画・デザイン・制作ディレクションに従事。
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