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全ての“競馬あるある”は行動経済学で説明出来る⁉

セガ エックスディーの櫻田です。はじめまして。
私たちは行動経済学の理論を用いて「ついやってしまう」サービスを様々な企業や自治体の皆さまと一緒に作っています。

行動経済学、聞きなじみのない方もいると思います。
でも、実はとっても身近な理論です。

そこで、今日は私の大好きな競馬の「競馬あるある」を通して、
皆さまに「行動経済学」に触れてもらえればと思います。

     


競馬ってなに?

正直知らない人はいないと思います。でもあえて説明させていただきます。なぜなら私は競馬が好きだからです。

競馬とは?
それぞれの馬に騎手が乗って所定の距離を一緒に走らせ、速さをきそわせるもの。

goo辞書より

さすがgoo辞書、わかりやすいですね。
でも私から言わせてもらえれば、そんな無機質なものじゃありません。
時に心が突き動かされ、時にレース中に涙を流すような感動を与え、時に忘れてしまった大切な何かをくれる、それが競馬です。※あくまで個人の感想です。

ディープインパクトの強さに衝撃を受け、エアグルーヴの気高さに酔い、ゴールドシップの狂気に翻弄され、スペシャルウx・・・、これ以上長くなると怒られるので割愛します。

コロナ禍では、数々のエンタテインメントが中止に追い込まれる中、一度も開催中止にならず、我々に感動をもたらせてくれた競馬に最近ハマった方も多いのではないでしょうか?

 
ようこそ競馬沼へ。


イケア効果と競馬あるある

ここから本題です。これから3つの競馬あるあると行動経済学のご紹介をさせていただきます。
1つ目にご紹介させていただく競馬あるあるは「自分の予想、結果が出るまで当たる気しかしないと思いがち」です。

勘の良い皆さまであればお分かりかと思いますが、競馬に絶対はありません。競馬は馬という生き物が走ります。

もちろん人間と同じように体調や感情などによるコンディションの良し悪しがあり、その日の成績が左右されます。また競馬には天気も大事な要素であり、雨・風・気温などの自然要素も結果に大きな影響を与えます。その他にも様々な要素が競馬の結果には影響を与えますが、そこは割愛します。

でも熟考を重ねて予想した馬券を買うと、多くの人が「絶対当たる」と思ってしまいます。不思議ですよね。これは行動経済学における「イケア効果」にあたります。

イケア効果とは「自分で作ったものの価値をより高く評価する傾向」の事です。完成品を買ってくるより自分で組み立てた家具の方がより愛着がわくアレです。

予想は一筋縄ではいきません。過去成績、騎手、枠順、天気...
様々な要素を考慮しながら熟考に熟考を重ねます。人によってはとてつもなく長い時間をかけます。私は1週間です。

そうなると自分の中で「これだけ労力をかけた予想、外れるわけがない」「当たる気しかしない」「絶対当たる」と、過剰に期待値が上がってしまいます。たとえ大穴予想だとしても。
これは明らかな認知バイアス※です。皆さま、くれぐれもお気をつけください。私も気をつけます。

※「認知バイアス」:意思決定をする際に、先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のこと


ハロー効果と競馬あるある

2つ目に「ハロー効果」というバイアスをご紹介します。

ハロー効果とは「ある対象を評価するとき、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴について評価がゆがめられる」というバイアスです。
「有名なブランドのものだから良いもののはず」や「著名なデザイナーだから素晴らしいデザインのはず」と思ってしまうアレです。

これを競馬あるあるで例えると「実績ある調教師(騎手)の予想、信用しがち」です。

例えば、熟考に熟考を重ね、ようやくレース当日を迎えたあなた。
後は馬券を買うだけと思ったものの「パドックだけ念のため見ておくか」とつけたTVに数多くの記録を打ち立てた伝説の調教師(騎手)が出演して「〇〇、今日は一段と良く見えますね」と、自分がまったく買う気の無かった馬を評価したとします。あなたなら冷静でいられるでしょうか?私は買い目を変えてしまいます。これがハロー効果です。

ハロー効果のことを知った皆さんであれば、次に同じような事態に遭遇しても、きっと冷静にこの事態に対処できると思います。


スノッブ効果と競馬あるある

最後の3つ目です。
皆さまは多くの人が持っているものに対して「人と同じものは嫌だ」と買う事をやめた経験はないですか?実はこれ、「スノッブ効果」と言います。

競馬あるあるでいうところの「1番人気嫌いがち」が該当すると思います。
どうみても強い、このメンバーに負けるはずがない実力・人気ともに備わった1番人気(オッズ1倍台)の馬がいたとしても「今日は勝負気配じゃない」「負けるならこの条件しかない」と思い込み、無理に嫌ってしまう事ないですか?私はあります。人より多くあります。

1番人気かつオッズが低い=たくさんの人が応援している状況を見た時、無意識に「人と同じものは嫌だ」と思ってしまい、ありもしない希望をもって穴馬に行ってしまう。これがスノッブ効果です。

これからの秋冬競馬(執筆時2023年10月)のG1でも、きっと1倍台の強い馬が出てくるはずです。その時に思い出してみてください。今嫌っているその心理、スノッブ効果じゃないですか?


終わりに

ここまでご覧いただきありがとうございました。
つらつらと書いておりますが半分以上、いや8割が自戒の念です。肝に銘じていこうと思います。

皆さまにお伝えしたかった事は「行動経済学」の字面だけだと、とても重たく感じますが、実はとても身近な事であるという事です。

今回は私が大好きな競馬に例えてお伝えしましたが、きっと皆さまの日常生活にも思い当たることが多かったと思います。皆さまが無意識に行っている行動は、行動経済学で言及されている理論に裏打ちされた心の動きや行動なのです。

もし皆さまが、このnoteを読んで、競馬・・・失礼しました。行動経済学に少しでも興味をもっていただけたら、こんなに嬉しい事はありません。

まだまだ行動経済学も競馬あるあるも、お伝えしたい事はありますが、それはまた別の機会に。最後までご覧いただき、ありがとうございました!


用語説明

・騎手
馬に跨り、馬上から馬を操縦する人のことである。

wikipediaより

・枠順
出馬投票締め切り後に、抽選で決められる発走する際のゲート順のこと。

JRA競馬用語集より

・大穴
競馬・競輪などで、大きな番狂わせ。また、それによる大もうけ。

goo辞書より

・調教師
競馬において厩舎を運営し競走馬を管理することを業とする者のことである。

wikipediaより

・馬券(勝馬投票券)
日本の競馬において、着順結果によって配当を行う投票券の一種である。

wikipediaより

・パドック
レースに出走する馬が、装鞍所からここに入り、この中をスタッフにひかれて周回する場所で、下見所ともいう

JRA競馬用語集より

・オッズ
勝馬投票券が的中した場合の概算払戻率のこと。

JRA競馬用語集より



執筆:櫻田 翔|株式会社セガ エックスディー         

大手ネット広告代理店でアプリゲームディベロッパー・パブリッシャー向けの広告提案営業を経験したのち、ゲームメディアの新規立ち上げや中華系ゲーム会社マーケター、大手ゲーム会社のマーケティング業務などを経験。
3度の飯より競馬好き。野球とキャンプも好き。


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